オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理の最後である第6章「オブジェクト指向UIのフィロソフィー践」を読んだので学びや所感をまとめます。
- オブジェクト指向UIとは何か
- オブジェクト指向UIの設計プロセス
- オブジェクト指向UI設計の実践(←この記事はこの章について)
- ワークアウト:基礎編
- ワークアウト:応用編
- オブジェクト指向UIのフィロソフィー
1〜3章については別の記事にまとめています。(4、5章はワークアウトで現時点では飛ばしたので記事化はしません)



6章は4つのセクションから構成されるのですが、この記事では個人的に1番興味のある「6.4 モードレス」についてまとめます。
モードレス
本書では、
たとえばある操作を行うとそれに従って次に行える操作が限定される場合、それはモードに入ったことになります。
オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理 P.298
と説明されています。これがいわゆるモードレスの対義語ではるモーダルです。
モードに入ってしまうと、ユーザーは作業の途中で考えを変えて別のことをしたくなったときに、まずはモードから抜け出すための操作を行う必要があります。
操作の流れの中にあるとユーザーはそのシステムを使いにくい(UXが悪い)と思うので、極力モードレスなアプリケーションを構成することが望ましいです。
モードレスとは、上記の説明を引用すると以下の状態だと言えます。
ある操作を行っても次に行える操作が限定されず、ユーザーは自由な順序で作業を行える状態
オブジェクト指向UIでは「すること」ではなく「得るもの」
オブジェクト指向UI(以下、OOUI)は、ユーザーが「すること」ではなく「得るもの」を先に考えることです。
それを最初から示すか、できるだけすぐに探せるようにすることで、ユーザーが自分でそれを獲得することができます。
モードレスの具体例
モードレスな状態は「名詞→動詞」であることが必要です。
- テキストエディターにおけるカット&ペースト
- サブミットボタンをなくす
- 確認用のモーダルダイアログをなくす
「サブミットボタンをなくす」は例えばMiroでシェイプの選択してワークスペース上でクリックするとデフォルトのプロパティでのシェイプが作成されます。
また、「確認用のモーダルダイアログをなくす」はiPhoneで削除するために削除するためのボタンを押すことで「Delete」エリアが表示されてそれを押すと対象物を削除することができます。
この場合モーダルダイアログが表示されないので、モードレスです。(Deleteが表示されても他の操作を行うこともできる)
最後に
この本では良いアプリケーションにするためには極力モードをなくすことが重要視されていました。
世の中には(Web、スマホ問わず)多くのサービスがありますが、モーダルになっているかモードレスになっているかを普段から意識してウォッチして、自分のプロダクトマネジメントに活かしていきたいなと思いました。
こういうのは自分の中で多くの引き出しを持っておくのが良さそうですね。
過去の記事はこちらです。



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