2022年4月に現職のSaasスタートアップに入社し、エンジニアからプロダクトマネージャー(以下、PdM)にキャリアチェンジして1年が経過するのでPdMと名乗りだしてから今日までに僕が本業でやったことを振り返ろうと思います。
4人目の正社員として入社して常にリソースが足りない状態だったので、中には「それはPdMの仕事じゃないでしょ」と思われそうなこともやってきた気がしますが、個人的にはとても濃い経験を積めた1年だったと思っています。
「それはPdMの仕事じゃないでしょ」 と書きましたが、プロダクトマネージャーの守備範囲は多岐に渡るので具体的なタスクベースで「これはPdMの仕事」「これはPdMの仕事ではない」とハッキり区別できるものではないですが…
それではPdMと名乗りだしたこの1年間でどんなことをしてきたのかをまとめます。
余談ですが、約1年前に書いた現職への入社エントリーはこちらです。

ユーザーインタビュー
入社して初めにやった大きめの仕事は新規事業のプロダクト開発のためのユーザーインタビューです。
事前に書籍(「プロダクトマネジメントのすべて」や「ユーザーインタビューのやさしい教科書」)でインプットして、インタビュー設計を行い、CEOに壁打ちしてもらいながら複数回インタビューを実施しました。
当時はそこそこ良いインサイトが得られたのんじゃないのかと思っていたのですが、今思うと「もっとこういう質問をした方がよかったな」と思うことがめちゃくちゃありますし、インタビュー相手に喋ってもらったことを鵜呑みにしていたことも結構あったなと多くの反省点が見つかりました。
今なら当時よりは上手くできると思いますが、そこまで上手くできる自信もないので今後のインタビューの機会に備えてさらに情報をインプットして臨みたいです。
インタビューは難しい…
当時人生初のユーザーインタビューの体験談をまとめた記事も貼っておきます。

営業活動・CS活動への同席
僕が入社したタイミングでは既存プロダクトが順調に売り上げを伸ばしている状態だったので、プロダクト(製品)への理解を深めるために商談に同席して営業メンバーがどのようなアピールをして受注に繋げているのかを把握しました。
また、現在プロダクトを使ってくださっているユーザーがどんなところにつまずいているのか、困っているのかを知り、それに対してCSメンバーがどのようなサポートを行っているのかを知るためにCSが顧客と実施しているキックオフやサポート定例会に同席させてもらいました。
このような”ビジネスサイドの現場に出ること”は僕の社会人人生の初めての体験だったのですが、かなり良い体験でした。
プロダクトへの理解が深まるだけではなく、ビジネスサイドのメンバーの「戦場」を実際に自分の目で見たことで、他部門のメンバーへの感謝・リスペクトに繋がりました。
当時のことは別の記事に書いています。

ドメイン知識のキャッチアップ
PdMとして、(当たり前ですが)事業ドメインに詳しくなることはとても大切です。
僕は入社以来、Pマーク(プライバシーマーク)のプロダクトに携わっているので、Pマークに詳しくなるために
- 書籍でのインプット
- 社外のエキスパートとの勉強会
- 社外研修への参加
などを行いました。
なお、Pマークの知識をキャッチアップするために使った(というか使っている)書籍は以下です。
上2つは今もヘビーユースしている書籍(特に1つ目はPマークに関わるなら絶対に必要なやつ)です。3つ目の本は正直読まなくてよかったです(笑)
超余談ですが、ようやくPマークも電子ファイルでの申請が可能になってきているのでとても嬉しいなと思っています(笑)
要求定義・要件定義
担当しているプロダクトへの機能追加や機能改修での要求定義・要件定義を行っています。
要件定義は開発チームと一緒に考えた方が良いかもしれませんが、社内でPマークのドメインの知見を持っているのが僕とCSメンバー1名だけだったので、要求定義は僕とCSメンバー、要件定義は僕メインで行っていました。
Figmaをほとんど使いこなせないので、Miroで簡単なUIを作成して、開発に必要な情報をドキュメントにまとめてエンジニアに依頼しています。(Figma少しくらい使えるようにならないとなーと思っている)
Howに関してはざっくりした粒度でお願いすることも多くなっているので、仕様に関して適度にエンジニアとコミュニケーションを取りながら開発を進めることができているのではないかと思っています。
最近模索していることは、How(どのように開発するか)をぎちぎちに決めすぎると、エンジニアが「言われたとおりにコードを書いているだけ」になってしまうけど、粒度の荒いレベルで依頼するとコミュニケーションコストが大きくなってしまうので、ベストなエンジニアとの協業を見つけようとしていることです。
言語化やドキュメンテーションは上手くできていると感じていて、これは継続してブログに記事を書いたり、Twitterでツイートしたりしているのが効果的なのかなとか思ったりします。
開発マネジメント
開発タスクの優先順位付け、エンジニアメンバーへのタスクのアサイン、スケジュール管理なども行っています。
この1年の後半の業務に占める割合としては、前述の「要求定義・要件定義」と同じくらい多かったです。
3月からはスクラム開発がスタートして、スプリント計画をたてたり、開発の進捗確認をしたり、動作確認をしたり、リリース計画をたてたりして、開発が効率的に進むようチーム全員で試行錯誤しています。
2023年度はRICEスコアを使って、定量的な視点からの開発項目の優先度付けを始める予定なので、とても楽しみです。
営業活動
担当しているプロダクトは0→1フェーズなので、現時点でプロダクト・ドメインに詳しい自分が商談に同席していました。(現在はセールスメンバーに移譲してお任せしています)
他の会社のプロダクトマネージャーが商談に出ているかどうかはわかりませんし、会社の規模にもよると思いますが、個人的にはとても貴重な経験をさせてもらったなと思いました。
商談に参加して思うことは「セールスメンバー、すごいな」です。(語彙力)
どんなにプロダクトの質が高くてもセールスが受注できないと売上を上げることはできないですし、ユーザーに使ってもらうことができませんからね、
新規顧客を獲得するための商談に僕も参加したこととは関係ないですが、開発サイドの人間が商談に同席することはおすすめです。(さっき載せた記事と同じです)

CS活動
先ほどの商談に参加したことと同じ理由で受注企業のCS業務も担当しています。(CSメンバー1名と一緒に行っています)
CS業務をしていると、お客様がどんなところで困っているのか、どこがわかりづらいかとかの生の声を聞くことができるのでドメインの知見が深まります。
また、プロダクトの改善の材料にもなります。(これは自分自身がCS業務をしなくても、ですが)
採用活動
現在はしていないのですが、入社してから半年ほど(2022年4月〜10月くらい)まではエンジニア採用に関わっていました。
求人媒体?転職媒体?スカウト媒体?を使ってスカウトメッセージを送り、反応のあった方とカジュアル面談をしたり面接をしたりしていました。
個人的な体感としてはスカウトメッセージを送ってカジュアル面談にこぎつける数の少なさから、よく聞く「エンジニア採用はめっちゃ大変」というのが身に染みて感じました。
エンジニアは売り手市場なんだなと改めて認識することができました。そして大変でした。
まとめ
この1年はとにかく新しいプロダクト(事業)をつくるために手探りかつ他部門のメンバーの力をたくさん借りながら邁進した1年だったなと思います。
ドメインキャッチアップからスタートして、プロダクトを形にして世に出すフェーズだったので自ずと開発に関する仕事が多くなりました。
PdMの仕事は多岐に渡りますし、まだまだ経験してないことが膨大です。
例えば、SmartHR社のSmartHRのプロダクトマネージャー職にご興味をお持ちの方へにはPdMの役割には以下のように書かれています。
SmartHRにおけるPMの役割は、「何を作るか」「なぜ作るか」の2点に責任を持ち、開発チームと協働しながらユーザーにプロダクトを届けることです。
具体的には以下のような業務を担当します。・プロダクトビジョンや目標、ロードマップの策定
・開発アイテムの起案・優先順位付け
・ユーザーインタビュー
・要件定義
・メトリクス設計・データ分析
https://tech.smarthr.jp/entry/product-manager-matome
「プロダクトビジョンや目標、ロードマップの策定」、「メトリクス設計・データ分析」は「The・プロダクトマネジメント」という感じですが、まだ経験ないのでこのあたりは2年目以降で挑戦してみたいなと思います。(まあ、今の環境における自分の役割を全うすることが最優先ですが)
そして2年目からは他社のPdMとの交流もとっていきたいので、現役PdMの方々、ご連絡お待ちしております!
エンジニアからPdMになって変わったこと、PdMに向いているエンジニアの特徴をまとめていますので、PdMに興味があるエンジニアはぜひ読んでみてください。


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