最近知名度がじわじわ増えているローコードツール「FlutterFLow」を2ヶ月ほど触ってみて、「FlutterFlowは流行るのか?」について個人的に考えた結果をまとめます。
現役エンジニア、エンジニア未経験の方、Flutter等ですでに個人開発をしている方など少しでもFlutterFLowに興味がある方にとって読んでおいて損はない内容となっています。
ぜひ最後までご覧ください!
最近、日本でも(まだ特定の界隈だけかもしれませんが)知名度が少しずつ上がってきたローコードツールFlutterFlow。
最近NoCode Camp オンラインサロン、ノーコードラボなどからFlutterFlowの紹介記事が出ています。


FlutterFlowは今後流行っていくのか?についてエンジニア経験が2年以上あり、FlutterFlowを約2ヶ月触って開発したアプリをApp Storeに公開した(現在は削除済み)僕が個人的な見解をまとめてみます。
結論
とても良いツールだけどそこまで流行らないと思う。特定の人にはめちゃくちゃ刺さると思うが、他のノーコードツールとは違った浸透の仕方をする。
です。
ここからは
- そこまで流行らないと思う理由
- どのような人が取り入れていくと思うのか
について書きます。
もしかすると僕自身がFlutterFlowを触っているから「このような記事を書いて競合を減らそうとしているんじゃないか」と思われる方もいるかもしれませんので念のため書いておくと、全くそんなつもりはないです。
なぜなら僕はこの記事を書いている時点で既にFlutterFlowの開発自体をやめているからです。
詳細は以下の記事で。(その記事は一旦やめる的なニュアンスかもですが現時点ではもう戻らない可能性の方が限りなく高いです)

そこまで流行らないと思う理由
エンジニア経験がある僕が数ヶ月FlutterFlowを触ってみて、「そこまで流行らない」と思った理由は4つあります。
習得難易度がAdaloとは比べ物にならない
ノーコードでスマホアプリを開発するとなった場合、まず1番に思いつくのはAdalo(アダロ)です。
僕自身、Adaloも数週間触ったのですが、難易度が比べ物になりません。
Adaloの習得難易度を1とした時、冗談ではなくFlutterFlowは30くらいあるのではないかと思います。
僕はエンジニア経験があるので、エンジニア経験がなくこれまでノーコードを触ってきている方からすると少し感じ方は変わるかもしれませんが、これに関してはぶっちゃけAdaloが簡単すぎます。(簡単であることはとても良いことである)
FlutterFlowはバックエンドにFirebaseを使う必要があり、まずFlutterFlowとFirebaseの接続がエンジニア経験がない方からするとそこそこ難関です。
これはまだ開発準備段階の話です。
またUIの作り方ももちろんFlutterFlowの方が難しいですし、特にバックエンド(Firebase)からデータを取得したり、取得したデータの取り扱いは比較するとかなり難しいです。
(その点Adaloのシンプルさというか事前にツール側が開発者を補助する感じがとても素晴らしいと思います)
開発コスト(ストレス含む)が大きい
FlutterFlowで開発を進めて、動作テストしようとするときにテストモードになるまでに2〜3分かかります。
1度テストモードに入った後、少し修正してテストモードに反映するときは大体10秒くらいで反映されますが、テストモードの持続時間が決まっています。
そのため、開発を進めてこまめにテストモードで動作検証しようにも数分といえど待つ必要があります。
僕はFlutterFlowでの開発の中ではここが1番ストレスがありました。(その次はストアへの公開作業)
Adalo、Bubbleは軽快に動作確認ができるのが良いですよね。
使用料が高い
ここも僕が開発をやめた理由の1つです。
とにかく高い。
触る分には無料で可能ですが、App Store、Google Play ストアに公開するためにはProプラン($70/月、年契約で$600/年)を使う場合があります。

円安の今、月額契約で約10,000円/月、年契約で約90,000円/年かかるのはなかなかのものです。
Adalo、Buubleでストアへの公開、Webへの公開のように「一般人が使えるようにする」ために必要なプランの金額は以下の通りです。
ツール | 月額($/月) | 年契約($/年) |
---|---|---|
FlutterFlow | 70 | 600 |
Adalo | 45 | 432 |
Bubble | 29 | 300 |
いかに他の人気のノーコードツールと比較して利用料金が高いのかがわかるかと思います。(Bubbleはとても良心的ですね)
「市民開発者」には選ばれにくい
まず、「市民開発」とは以下のような説明されています。
市民開発とは、ITの専門知識がないビジネス部門の社員による、現場のニーズに直接応えるアプリケーション開発のことだ。
https://special.nikkeibp.co.jp/atcl/NXT/21/servicenow0305/
その市民開発を行う人を市民開発者と呼びます。
ノーコードの浸透により、この市民開発者が増えていることでさらにノーコードが流行っているのだと思います。
基本的にこのような人は「仕事の中で困っていること、面倒なことをアプリで開発する」のですが、なかなかその手段としてスマホアプリを開発する人は少ないのではないかと思います。
1つ目に書いた「FlutterFlowは結構ムズカシイよ」というのに加えて、スマホアプリ用であることで、普及対象となる人がそこまで多くないと思います。
(この辺、僕の勝手な想像なので実際は全然違うかもしれませんが個人の見解なのでご了承ください)
どのような人が取り入れていくと思うのか
ここまでFlutterが「そこまで流行らない」と思う理由について書いてきました。
ただ、「特定の人にはめちゃくちゃ刺さる」と思っています。
ではどのような人には刺さって、導入されていくのかを書きます。
アーリーフェーズのスタートアップ
FlutterFlowのとても素敵な機能の1つはStandardプラン($30/月)以上のプランでFlutterFlowで開発したアプリをFlutterのコードとしてダウンロードすることができます。
これは何を意味するのかというと
FlutterFlowで爆速でMVPを開発して、結果的にイケそうだと思ったらFlutterでの開発にとても簡単に切り替えることができる
ということです。
スマホアプリで勝負するスタートアップの場合、需要があるのか本当にわからないアプリ開発してFlutterエンジニアにお願いして、ある程度お金を使って、結果的にピボットしなければならなくなったときを考えると、その段階での開発をFlutterFlowで早く・安く行うというのは良い方法だと思います。
既にスマホアプリを個人開発している人(特にFlutter使い)
これは先ほどの理由と同じなので、途中からFlutterとして開発していくことが可能なのでスマホアプリ個人開発者にとっては良いツールになっていくのではないかと思います。(あとは値段だけどうにかしてほしい)
また、個人開発者の場合ストアへの公開も慣れていると思うので導入ハードルは低いと考えます。
ちなみに僕はFlutterFlowで開発したアプリを一度はApp Storeに公開しましたがめちゃくちゃしんどかったです。
そしてGoogle Play ストアへの公開に関しては諦めました。
まとめ
ここまで
- FlutterFlowがそこまで流行らないと思う理由
- どのような人がFlutterFlowを取り入れていくのか
について書きました。
個人的にFlutterFlowはFlutterで本格開発していくためのMVP開発ツールという位置付けになるのではないかと思います。
「ちょっとノーコードを触ってアプリを作ってみたい」というニーズにはあまりマッチせず、それならAdaloが最適です。
そもそもそういう用途のツールだとしたら大変お恥ずかしいですが、FlutterFlowの公式ドキュメントにはそのような紹介はないので多分大丈夫。
FlutterFlowは、ネイティブモバイルアプリケーションを開発するためのローコードビルダーです。ドラッグ&ドロップのシンプルなインターフェースで、従来の開発の10倍以上のスピードでアプリを構築することができます。
https://docs.flutterflow.io/
これはあくまで個人的な見解・意見なのでぜひ色々な方の見解を聞きたい。
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