1ヶ月ほど前からFlutterFlow(ローコード)で開発していたスマホアプリをApp Store・Google Play ストアに公開すること、運用していくことを辞めることにしました。
- そもそもなぜFlutterFlowでスマホアプリを開発し始めたのか?
- どこまで開発が終わったのか?
- なぜここまできて開発・公開を辞める決断をしたのか?
- 今後はどのようにしていくのか?
など、この決断に至るまでを赤裸々に書いていきます。
FlutterFlowに興味がある方、ノーコード・ローコードに興味がある方、自分でサービスを開発・運用してみたい方などの参考になる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください!
9月の初めに後述するとある理由により、ノーコードツールを触ってみようと思いスマホアプリに特化したノーコードAdalo(アダロ)を触り始めました。(その後、Adaloのあまりにもできることの少なさに「これ無理じゃん」となり、直近まで触っていたFlutterFlowでの開発に切り替えました…)
そしてFlutterFlowで開発したスマホアプリをApp Storeストアに公開する直前のタイミングで
公開すること、そして運営していくことを辞めました。
今、この決断に至った経緯をしっかりと言語化して文字に残しておきたいという熱がすごいので、その熱が冷めないうちに記事に書いています。
この記事は僕の中でもかなり大切な記事になりますし、多分誰かの参考になりますし、心に刺さる内容になります。
タイトル的にも結局は僕の「失敗談」「しくじり話」なのですが、ここまで読んでいただき面白そうだなと思った方はぜひ最後まで読んでみてください!
そもそもなぜFlutterFlowでスマホアプリを開発し始めたのか?
「なぜFlutterFlowでのスマホアプリ開発を始めたのか?」を説明するには2つの「なぜ」に分解したほうが良さそうなので以下の2つに分けます。
- なぜノーコード(ローコード)を触り始めたのか?
- なぜスマホアプリ開発を始めたのか?
なぜノーコード(ローコード)を触り始めたのか?
ノーコード・ローコードを触り始めたのは以下の2つの理由です。
- 自分でサービスを作ることがプロダクトマネジメントのスキルアップに繋がると思ったから
- 開発スピードがプログラミングする(コードを書く)より格段に速いから
この2つに関しては僕が尊敬するプロダクトマネージャーのShinさんの以下のツイートどおりです。
僕は現在プロダクトマネージャー兼エンジニアとして仕事をしていますが、プロダクトマネージャーとしてのレベルを上げていきたいため今回「ノーコードを使って自分でサービスを作ってみよう」と思い、この取り組みをスタートしました。
なぜスマホアプリ開発を始めたのか?
Webサービス開発に人気のノーコードBubble(バブル)、スマホアプリ特化のノーコードAdalo(アダロ)など他のツールがある中で「スマホアプリ」を、そして「FlutterFlow」を選んだ理由について。
それは
- 作ってみようと思ったサービスがおそらくスマホアプリの方が良かった
- 個人がサービスを作るならtoCかな。toCならスマホアプリの方が良さそう
です。
僕の中で普段の生活の中でPCを使う人はそこまで多くない(非IT業界の人とか特に)という理由から「WebサービスはtoB」というイメージがあり、今回は未経験のスマホアプリ開発に挑戦しようと思いました。(もちろんtoCのWebサービスはありますがどちらかというとtoBの方が多いかと思います)
今思えば、この選択がミスってたかもなあと思います。。
どこまで開発が終わったのか?
Adaloから入って2週間ほど経過したタイミング(9月中旬)からFlutterFlowでの開発に切り替え、約1ヶ月間プロジェクトを進めてきました。
この約1ヶ月間ちょっとで僕が実際にやったことを列挙します。
- ユーザーヒアリング(8名)
- Figmaでの(かなり雑な)画面デザイン作成
- Vectornatorでのアイコン作成
- アプリのロゴ作成(Figma)
- FlutterFlowでの開発
- ブログへの技術記事アウトプット
- KIYACでのプライバシーポリシー作成(KIYACというサービスめっちゃオススメ)
- STUDIOでのアプリ説明用のホームページ
- Google Formでのお問い合わせフォームの作成
- App Store公開用の画像作成(PhotoShop)
- App Store ConnectからApp Storeへの公開申請
はい、実はもう既にApp Storeへの公開申請をしていました!!!
そしてここに至るまで初めて業務外でユーザーヒアリングをしてみたり、自分でグラフィックデザインツールでアイコンを作成してみたり、STUDIOでサイト制作をしてみたり、App Storeへの申請作業をしてみたり、本当に色々しました。
App Storeへの公開申請をした後、2回ほどリジェクトされて対応して再度リジェクトされて…みたいな繰り返しがあり、もう少しで公開完了も見えてきたタイミングでの「辞め」となります。
記事の最後にもう一度書こうと思っておりますが、ここまで色々やってきたことは最終的に「時間の無駄」という扱いになりそうですが、個人的にはそんなことはなくとても良い経験だったと思っています。
なぜここまできて開発・公開を辞める決断をしたのか?
ここがこの記事のキモであり、1番発進したいことであり、自分が文字に残したいところです。
複数の方にユーザーヒアリングもしてアイコンもホームページも規約系も作成して、App Storeへの公開の手前まで来ているタイミングで辞める決断をした理由について赤裸々に書いていきます。
※記載する順番に意味はないです。思い付いた順に書いています。
FlutterFlowの使用料金が結構高い
FlutterFlowを始めとするローコードツール(ノーコードも含む)は各ツールの料金プランが設定されています。
プラン内容はツールによって大きく変わりますが、たいてい
- Webサービス用であれば、Web上に公開する
- スマホアプリ用であれば、App StoreやGoogle Play ストアに公開する
ためには必ず有料プランを契約する必要があります。
(開発自体は無料で始めることができるのでとりあえずノーコードを触ってみたいという方は無料で何もせず始めてみるのが良いかと思います)
FlutterFlowの料金プランは以下の公式サイトに詳しく載っていますが、App StoreやGoogle Play ストアに公開するためにはProプランを契約しなければなりません。

Proプランは月額$70(約10,000円)、年間契約の場合、月額$50(約7,000円)かかります。
(Bubble、Adaloと比較してもかなり高いです)
FlutterFlowを使うために年間契約でも年間84,000円、App Storeに公開するために年間12,800円、合計約10万円のお金が毎年かかり続けることになり、この金額をFlutterFlowにかけて得られるリターンを考えた時に「もっと有意義な使い方があるのではないか?」と思う結果に至りました。
※Google Playストアにアプリを公開するためにかかる金額は3,000円(1回きり)なのでかなりお得な感じがしますよね(笑)
必要経費と言われたらそのとおりなのですが、後述する理由も踏まえて総合的に考えるとそう思ってしまいました。
途中からFlutterFlowに詳しくなることに多くの時間を割いてしまっていた
今回スタートしたこの取り組みの最大の目的は「自分で何かサービスを作って運用してみることでプロダクトマネジメントスキルをアップさせる」ですが、いつしか「FlutterFlowの使い方をマスターする」ことにほとんどの時間を使ってしまっていました。
FlutterFlowは公式ドキュメントは割と充実しているのですが、キャッチアップのハードルは他のノーコードツール(特にAdalo)と比較するとかなり高いです。
僕はエンジニア経験が2年以上ありますが、そこそこ苦戦しました。
ただ、まだ国内の開発事例もなく、また記事やYouTubeもほとんどが海外のものなので国内の情報媒体も全然ないので現状です。
なので、心のどこかで
このタイミングでFlutterFlowに詳しくなって、アプリのリリースすればその先行者利益を得られるのでは?
みたいに思っていました。
そしてFlutterFlowに関する技術記事も書いてしまっていたのですが途中で
ああ、これいつの間にかで道を間違えているな…
と気づきました。
完全に当初の目的を見失っていたわけです。
毎日がハードすぎてモチベーションが継続できなくなった
これは完全に僕のポンコツなのですが、既に色々やっている中で新しくこの取り組みを追加したので単純に時間的にキツかったです。
今現在、本業以外でやっていることは
- ITスタートアップでの副業
- グルメインスタ運用
- ブログ運営
- PM Clubでの事業作り
- YouTubeサムネ作成
こんなところです。
正直、家庭を持っていて子育てをしながら本業をしながらなので、ただでさえハードな毎日を送っている状態から追加で割と大きなこの取り組みを追加してしまったんですよね。アホです。
なぜ追加したのかというと「自分のストイックさ」「なんとかなるだろうという楽観主義」です。
結論、今回に関しては「なんとかならなかった」です。
なんとかならなかった理由はこのセクションに書いている他の理由によるものです。
毎日ハードな日々を送っていることは以下の記事にも書いています(笑)

だんだん僕がキャリアアップしていく上で大切にしているポリシーに反しているという実感が強くなった
先ほど書きましたが僕は自分の言うのもアレですが、毎日ハードな日々を過ごしています。
家庭を持っているので独身や子持ちではない方と比べ可処分時間が圧倒的に少ない、でも効率よくキャリアアップしたい、という思いから、2年半前にエンジニアになったときから
今自分に必要なこと、未来で絶対に必要になることだけに時間とお金を費やす
という自分ルールを設定してきました。
初めは「自分で何かサービスを作って運用してみることでプロダクトマネジメントスキルをアップさせる」ため、「個人でサービスを作るならtoBじゃなくてtoCの方が良さそう。であればWebサービスではなくてスマホアプリの方が良いかも?」という理由で進めてきましたが、少しずつ自分ルールに反した行動をしているという思いが強くなりました。
- 今toB Sass(Webサービス)を開発・提供するスタートアップで働いていて、今後スマホアプリ領域にプロダクトマネージャーになる可能性は?
- それならtoBのサービスを自分で作ってみる方が良かったのでは?
- そしてノーコード・ローコードを学ぶのは良いけど、スマホアプリを開発するツールの知見を溜めることは有意義な時間の使い方なのか?
- 毎日時間に追われながらこの「有意義じゃないかもしれない」作業に没頭することはそもそも間違っているのではないか?
などなど、ここ数日は本当に毎日モヤモヤしたものと格闘していました。
また、僕が現在参加しているプロダクトマネージャー向けのコミュニティ「PM Club」で少し前からこの取り組みの目的と同じ「自分でサービスを作ってプロダクトマネジメントスキルを上げて、プロダクトマネジメントの実績を作る」プロジェクトが走り始めて、僕もありがたいことにこの内の1つに参加させていただいています。
日々悶々と悩んでいる中で、
僕が今注力すべきなのはこっちだよな…???
と思ったり考えているうちに自然と「NO」が出てきていました。
現役のプロダクトマネージャーとコミュニケーションを取りながら進めることやBubbleを使ってWebサービスを開発する、と言う点でも個人的にはアツかったです。
今後はどのようにしていくのか?
FlutterFlow(ローコード)で開発していたスマホアプリをApp Store・Google Play ストアに公開すること、運用していくことを辞めた理由について書きました。
それでは今後ノーコードにどのように関わっていくのか?について少し書こうと思います。
ノーコードへの知見は引き続き深めていく
プロダクトマネージャーがノーコードを使ってMVPを作れて損はないと思うので、プロダクトマネジメントに主軸を置きながらも引き続きノーコードには触れていこうと思っています。
今後は可能な範囲でBubbleを中心にキャッチアップしていく
ノーコードには触れて少しずつキャッチアップしていこうと思っているのですが、FlutterFlowではなくBubbuleをメインにキャッチアップしていきます。
Bubbleに路線を変える理由は「現在toBのWebサービス(Sass)業界にいるし、もし今後転職することになった場合でもWebサービスを提供している会社に転職する可能性が高い」からです。
少しだけ動画を見た感じ、現役エンジニアであれば比較的難易度が高いと言われているBubbleのキャッチアップはそこまで大変じゃなさそうなので、エンジニアのバックグラウンドを有効活用していきます。
FlutterFlowは一旦お休み。また再開するかも。
この記事の内容的にお察しかと思いますが、FlutterFlowの勢力的なキャッチアップは一旦お休みしようと思います。
とはいえ、今後日本でもアツくなる可能性のあるツールなので情報自体はキャッチしていく予定です。
以下のツイートのとおり技術記事のネタはたくさんストックしているので時間があれば少しずつ執筆していこうと思います。
FlutterFlowでこれまで開発したアプリは無料プランに変更してもデータ自体は残るので、今以上に余裕ができたらリリースに再着手するのもアリかも…?
最後に
ここまで文字起こしして振り返ると今回の出来事の根本的な原因は自分自身の見切り発車かなと。
もっと慎重に考えないといけない時もあるなと反省しています。
とはいえ、新しい技術に触れ、新しいツールの使い方を習得することができたのは収穫なのでここはポジティブに捉えます。
(特にFigma、STUDIO)
今後は今以上に「今やりたいこと」と「今やるべきこと」のバランスをうまくとりながら着実にキャリアアップしていくために努力を続けて参る所存です。
最後までにご覧いただきありがとうございました!
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