この記事ではWebエンジニアとしてのキャリアをスタートする際にその会社事業形態の選択肢に挙げられる3つである
- 自社開発企業
- 受託開発企業
- SES企業
についてそれぞれの特徴と僕個人の捉え方を交えてまとめます。

・エンジニアに転職したいけど自社開発企業、受託開発企業、SES企業のどこに転職するのがベストなの?
・それぞれどんな違いや特徴があるの?
このような悩みを解決する記事になっています。
この記事にターゲット
- 異業種からエンジニアへの転職を目指している方
- プログラミング(Web制作ではなくWeb開発)を勉強している方
- 自社開発企業、受託開発企業、SES企業それぞれの特徴がよくわかっていない方
この記事でわかること
- 自社開発企業、受託開発企業、SES企業それぞれの特徴
- ファーストキャリアとしてどの事業形態を選ぶのが良いか
結論、自社開発企業か受託開発企業であればどちらでも良いです
僕のキャリア(参考)
参考情報です。
2020年4月に自社開発・受託開発どちらもしている企業に入社し、エンジニアのキャリアをスタートしました。
そこでは受託開発を行うチームで仕事をしていました。
2021年5月から自社開発企業で働いているので自社開発・受託開発どちらも経験があります。
SES企業で働いたことはありません。
自社開発企業、受託開発企業、SES企業それぞれの特徴
それぞれの事業形態について特徴をまとめます。
僕のこれまでの経験から言えることも添えていきます。
自社開発企業
まずは、自社開発企業。
(某テック系インフルエンサーの影響もあって)おそらく現在プログラミングを勉強中の方で1番多く目指しているところなのではないかと思います。
文字通り、自分の会社でサービスを開発・運用して収益を得ている事業形態です。
有名どころでいうと以下の会社です。
- メルカリ
- LINE
- クックパッド
- ヤフー
- GAFAM
特徴はこちら。
(特徴は捉え方によってメリット・デメリットどちらにもなり得るので特徴という括りにします)
- 上記のようなメガベンチャーと呼ばれる企業は自社開発が多い
- 結構前から存在しているサービスは技術スタックがレガシーな場合がある
- リリース時期を柔軟に調整することができる企業もある(逆に超忙しい時も)
- スタートアップが結構多い
- 長く同じサービスに関わる可能性が高いのでモダンな技術を使っていても触れる技術がある程度固定される
- サービスの形態にはtoC、toB、toGなど色々ある
- 入社難易度は1番高い(と言われているし、思う)
Twitter界隈では自社開発に転職する=すごい、という感じになっている気がします。なぜか。
受託開発企業
次は文字通りですが、開発案件を他社から受託(受注)して開発している企業です。
自分の会社で他社用のサービスを開発しているというイメージです。
発注元は非IT企業が多いと思いますが、中にはIT企業(Web系企業)の場合もあります。
上記で書いた”IT企業からの発注”では、非IT企業→IT/Web系企業(1次請け)→IT/Web系企業(2次請け)となるケースが多く、3次請け、4次請けになることも…
僕が以前在籍していた企業の受託チームではほとんどが1次請け(プライム案件)でしたが、たまに2次請けがありました。
受託開発企業の特徴はこちらです。
- 社内に色々な開発案件が存在するので、色々な技術を経験できる
- 納期前は忙しくなる場合がある(いわゆるデスマーチ)
- 色々なサービスの開発に関わりたい方にはオススメ
- 受託案件も新規開発案件、保守・運用案件それぞれで技術スタックのモダンさは大きく変わる(もちろん新規開発の方がモダンな技術は採用しやすい)
- 会社によりますが、入社難易度は自社開発の次くらいのイメージ
- クライアントがいるので社外の人と関わる機会が多い
「社内に色々な開発案件が存在するので、色々な技術を経験できる」と書きましたが、会社によっては受託開発だけど開発言語はチームによって固定という会社もあります。
僕は1年間受託開発チームに在籍していましたがバックエンドはずっとPHPでした。
次に説明するSES企業程ではないですが、多少のガチャ要素は存在します。
SES企業
最後にSES企業。
SESはSystem Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の略です。
一言でまとめると自分が所属しているSES企業から別のIT/Web系企業に派遣、常駐して開発を行う事業形態です。
特徴はこちら。
- 自分が勤務している会社自体で働くことは少ない
- 色々な現場を経験できる(色々な人と関わりを持つことができる)
- 使う言語はJavaが多いイメージ
- 入社難易度は3つの中で最も低い
- ホワイトSESと呼ばれる優良企業がある一方、ブラックSESと呼ばれる企業もある
- 案件が見つからない場合自宅待機になる可能性がある(未経験に多いようです)
僕は在籍したことがないので経験から話せることが少ないですが、自社開発企業、受託開発企業、SES企業の中ではダントツでガチャ要素が多い、つまり運次第でキャリアの方向性がかなり変わる印象です。
中には
SES企業に入社したけど派遣先は家電量販。しかも仕事内容はサービス開発ではなく営業。
とかも聞きますしね。
また、SESに関してはTwitterであるアカウントによって呟かれた「努力不足でSES」というワードは一時期TwitterでもYouTubeでもとても話題になりましたね。
ファーストキャリアにオススメなのは?
自社開発企業、受託開発企業、SES企業がそれぞれどんな企業・事業形態なのかをまとめました。
では異業種からエンジニア転職するならどの事業形態の企業に入社するのが良いのか、個人的な意見を書きます。
結論、自社開発企業か受託開発企業であればどちらでも良いです
この言い方は誤解を招きそうなので理由を説明します。
理由は3つの観点から説明します。
- SESはガチャ要素が大きいので避けるのが無難
- 自社開発企業、受託開発企業はそれぞれ合っている、合っていないがある
- 事業形態によらず会社によってピンキリ
SESはガチャ要素が大きいので避けるのが無難
SES企業は自社で開発タスクがあるわけではなく、社外で仕事をすることになるので入社するまで案件の内容が確定されないケースが多いです。
前述した“入社したら派遣先は家電量販(とか携帯ショップとか)で仕事内容はサービス開発ではなく営業”もおそらくですが、入社前には「開発もできるよー」なんて言われていたんじゃないかと勝手に予想しています。
(それを事前に言われていた上であればさすがに自業自得と思いますが)
また、IT/Web系企業に派遣された場合でも開発タスクではなく、テスター(テストする人)として常駐するケースもあります。
やはり開発経験を積めないのは個人的にはキツイなと感じます。
ここまでの説明だとSESをただ単にディスっているようですが、そんなつもりではないです。
最近Twitterでも「ホワイトSES」という言葉を見かけるようになり、上記のようないわゆる「ブラックSES」との差別化を図るSES企業も増えています。
それを踏まえた上でも
- IT/Web系企業に派遣されない
- 開発経験を積むことができない
このような可能性がある、またそれが入社するまでわからないという自分の努力ではどうしようもないガチャ要素ある以上、避けるのが無難かなと思います。
自社開発企業、受託開発企業はそれぞれ合っている、合っていないがある
「結論、自社開発企業か受託開発企業であればどちらでも良いです」
なんて適当なこと言うなよ、と思った方もいらっしゃると思います。
その理由はそもそも自社開発企業、受託開発企業は向いている人が異なるからです。
自社開発企業が向いている人
- 仕事する上で開発するサービスの分野、内容に興味がないとやる気が出ない人
- ある特定の言語、スキルを集中的に伸ばしたい人
- 「自社開発企業勤務」と言いたい人
受託開発企業が向いている人
- 開発するサービスの内容より、使用技術ドリブンで仕事したい人
- 色々な技術、スキルを経験したい人
このようにその人の性格や求めるキャリアプランによってどちらが適しているかは異なります。
僕はエンジニアのキャリアの1社目で受託開発企業(自社開発もしていたけど関わってない)に入社したのですが、働く内にサービスの分野や内容が好きになれないとやりがいを感じれないタイプだと体感したので自社開発企業に転職しました。
また、後述する内容とも被りますが、
- 自社開発だけど、異なる技術スタックで開発された複数サービスを取り扱っていて、複数サービスを担当することが可能であれば色々な言語、技術を経験することができる
- 受託開発だけど、大規模サービスの運用・保守がメイン業務になると決まった言語、技術しか扱うことができない
上記のような可能性もあるので「自社開発が1番良い」というように優劣をつけることはできません。
というかそもそも優劣なんてないです。
事業形態によらず会社によってピンキリ
最後にこの理由ですが、自社開発だろうが受託開発だろうが正直会社によりけりなところがあるからです。
自社開発はどうしてもキラキラしたイメージがありますが、自社開発企業で働いていた僕の知人の中には
- 想像を絶するような低賃金で働いていた人
- 日常的にかなり残業していた方
がいました。
もちろんですが逆も然りです。
また自社開発企業の場合、結構前に開発して安定稼働しているサービスを運営している企業であれば技術スタックはモダンではない可能性があります。
僕が実務経験10ヶ月で転職した時に内定をいただいた自社開発企業がまさにそうでバックエンドのフレームワークがFuelPHPでした。
(サービスはめちゃくちゃ興味があったのですが、技術スタックの点で恐縮ながら辞退させていただきましたm(__)m)
これ、自社開発企業=モダンでキラキラ勝ち組と思っているプログラミング初学者からすると意外と盲点かもしれません。
まあそれはそうだよね、という感じですが会社によるとしか言いようがありません。
「じゃあどうすればいいんだ!!」と思いますよね。
対策としては内定を承諾する前にできるだけ気になることを確認して自分と企業側とで共通認識を持つことが大切です。
入社後に「こんなハズじゃなかった…」となるのが最悪のパターンです。
この記事で企業がモダンな技術を使っているかどうかにフォーカスしている部分がありますが、これに関して僕個人がモダンな技術を使っている企業で働くことにメリットを感じているからです。
また別の記事にまとめたいと思います。
最後に
というわけでこの記事では以下のことをまとめました。
- 自社開発企業、受託開発企業、SES企業それぞれの特徴
- ファーストキャリアとしてどの事業形態を選ぶのが良いか
エンジニアとしてのキャリアを始める時にオススメな企業の事業形態に関してですが、結論としては
自社開発企業か受託開発企業であればどちらでも良いです
です。
会社によりけりなので以下のポイントから総合的に判断するのが良いと思います。
- 給与
- 使用言語、技術
- 自分の性格、求めるキャリアプラン
- 働き方
- 開発体制
エンジニアのキャリアは十人十色であり、正解はありません。失敗もありません。
自分が正解と思えたら正解で、失敗と思えたら失敗です。
この記事がキャリア選択の参考になれば幸いです。
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